債権法改正について【民法改正(債権関係)】

 コロナ禍の平成2年(2020年)4月1日、改正民法(債権関係)が施行された。

 いわゆる債権法改正である。
 この改正法とは、平成29年(2017年)5月26日に国会で成立した「民法の一部を改正する法律」(平成29年法律第44号)である。同法律と同時に、「民法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備に関する法律」(整備法)も成立した(平成29年法律第45号)。
 これらの法律は、一部の規定を除き、令和2年(2020年)4月1日に施行された。

 改正内容は多岐にわたり、広く一般市民に影響があるはずものであるが、施行当時はコロナ禍の状況に紛れてしまったのか、あまりニュースで見た記憶がない。約120年ぶりの民法大改正と言いながらも、コロナ禍の甚大な影響に比べれば、市民生活への影響が実感し難かったからであろう。

 しかし、債権法改正がニュースで話題にならなかったのは、コロナ禍ばかりが理由ではないだろう。大改正と言いながらも、実際の改正内容は、従前の判例や実務を踏襲したものが多いので、新しい法文により実際の生活がガラリと変わってしまうというようなものではない。これまでの日常生活において、法律用語を意識せずに暮らして来た人々にとっては、これからも民法が改正されたことを意識することはほとんどなさそうだ。

 それでも、改正前の民法の条文や法律用語を学んでしまった人達にとっては、新しい条文や法律用語、法解釈を整理して理解する必要がある。古い知識のままでは、新しい事態に廃止された法を適用して対応してしまうおそれがある。

 そこで、特に目につく改正点について、ざっくり整理して、記述を留めて置きたい。債権法改正の備忘録をつくりたい。

 ところで、余談だが、民法改正が行われた目的の一つは、「国民一般に分かりやすい民法」とすることであった。しかし、改正前民法の分かりにくさと、改正民法の分かりにくさは、全体としてあまり変わっていないと思う。部分的にみれば分かりやすくなったところもあるが、全体としてみれば、分かりやすくなったとは到底言い難い。
 そもそも、「国民一般に分かりやすい」法律とは何だろう?「国民一般」に分かりやすい法律など、これまで存在したことはあったのだろうか?「国民一般」とは、具体的に誰のことなのか?
 「国民一般に分かりやすい民法」にするという大義名分のもと、実際には何が行われたのだろう?

 

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